アドバイス


*ワイヤーハーネス
新しくなったワイヤーハーネスの1つの配線(写真赤丸)は、DD2エンジン(RM1用)のCUT-OFF機構用の配線で、
MAX/JuniorMAXエンジンには、必要な配線ではありません。

どこかに接続したり、切断したりせず、フレーム等にじゃまにならないよう留めてください。



*燃料

まずは、走行前にキャブレターにガソリンを送ります。
写真のように燃料タンクからキャッチタンクに繋がっている燃料パイプを外し、
口で吹いて圧力をかけると簡単に燃料をキャブレターに送ることが出来ます。
この時、長時間圧力をかけすぎるとオーバーフローしてエンジンがかぶってしまうので注意してください




*冷却水
水をラジエターに注入した後、エンジン内部に水を回すためエンジンを一度掛けてしばらくアイドリングし、
その後もう一度ラジエターキャップを開けて水を補充します。



*ギアオイル
ギアオイル量のチェックは、走行前に必ず行って下さい。
ギアボックスカバーの取り付けネジの一番下がドレンボルトです。 その左隣のネジが油量チェックのネジです。
油量チェックのネジを外してもオイルが出てこないときは補充してください。



*クラッチ
クラッチドラムを外し、その内側とクラッチシュー3ヶをパーツクリーナーで掃除し、ニードルベアリングにグリスを塗ります。
この時、以下の3点をチェックして下さい、(自信が無い場合はカートショップさんへお願いしましょう)
シューの減り具合
シュー3ヶの付け根部のクラックの有無
ニードルベアリングの劣化
(チェーンオイルによる汚れに注意)



*スターター
スターターモーター/バッテリーの保護のために5秒以上連続で回さないようにする。


*チャンバー
チャンバーが確実に固定されているか確認する。
エンジンとの接続部から排気漏れがないかチェックする。
排気漏れがあると背圧低下で排気バルブの開閉が安定しないことがあります。


*排気バルブ
排気バルブカバーを外し、バルブ中央部を押してスムーズに動くかどうかをチェックする。
バルブのスタッドボルトの両端のゆるみをチェックする。
バルブに付着したカーボンを落とす。
時々点検する程度で良いが怠ると動きが悪くなり性能が発揮できなくなる。



*冷却水
冷却水を抜く場合は火傷のおそれがあるので充分にエンジンが冷えてから行って下さい。
冬季は、冷却水が凍ってシリンダー破損の恐れがあるので必ず冷却水を抜くこと。
安全に作業するため下側のホースを外すこと。
作業手順
ラジエターキャップを締めた状態でホースを外します。(一気に冷却水が出るのを防ぐためです)
その後、ラジエターキャップを外し最後はラジエターに息を吹き込むと完全に抜けます。
ホースを繋ぐときは、ホースの内側にグリスを少量塗布しておくことで次回、外す時に作業が楽に出来ます。



*ガソリン
キャブレターに貯まっているガソリンはキャブの下のドレンボルトを外して抜きます。
燃料ポンプ内のガソリンはポンプのOUT側のホースを外し、キャッチタンク側から圧力をかければ簡単に抜くことが出来ます。
キャブレター及び燃料ポンプ内のガソリンは、トラブル回避のため、走行後、必ず抜くようにして下さい。


*キャブレター

オートバイなどで使用されているフロート式が使用されています。
フロートレスのカート用キャブレターとは違った構造ですので戸惑うこともあると思いますが、
走行中に調整する必要が無く、コツさえつかめば取扱は難しいものではありません。


*最初に
キャブレターをセッティングする前に以下の作業は行っていますか?

ストレーナーにゴミが溜まっていることがあるので掃除は、まめに行います。
ストレーナーのボルトを外しパーツクリーナーで掃除をしてください。
燃料タンクにガソリンが残っているとガソリンが出てくるので注意してください。



*メインジェット

キャブレターの燃料調整はメインジェットによって行います。
エンジンの調子は、メインジェットの選定によって左右されます。
写真のようにキャブレター本体をエンジンについたまま回転させると簡単に交換できます。
メインジェットの標準値(出荷状態)は、168番 ニードルクリップは上から2番目です。
通常の走行ではここから大きく変わることはありません。少しずつ調整してみてください。

メインジェットは、数字が大きくなるほどガソリンが濃くなります。
クリップは、下に行くほどガソリンが濃くなります。


上の写真のように、ドライバー等で変形してしまったメインジェットは、交換するようにしましょう。
燃料の流量が変化してエンジン性能に大きく影響してきます。
また、メインジェットがこのように変形/破損しないよう、適切なサイズのドライバーを使用してください。
キャブレターは、精密機械です。


*メインジェット選定

まず正確なメインジェットを選定する前に、図のフロートレベルを23.5mmに調整してください。
フロートレベルは少しの違いでもメインジェット値は大きく変わります。



MAXメインジェットKIT に付属しているセッティングシートで最適なメインジェットを選定するか、

以下のプログラムをダウンロードしてパソコン上で選定して下さい。
メインジェット選定プログラム

導き出された推奨メインジェットは、基本データより算出されたもので絶対のものではありません。
あくまでキャブレターセッティングの目安として参考にして下さい。
ジュニアMAXでは、数値が違ってきます。


*エアスクリューの調整
標準値は全閉状態から1.5回転です。
エアスクリューの調整は低回転域に影響します。
負荷の無い状態で(カートスタンドの上などで)アクセルを7,000回転付近で固定して回転が一定ならば問題ありません。

もし徐々に回転が上がるようならば・・・エアが多すぎるので全閉から1回転ぐらいにしぼる。
もし徐々に回転が下がるようならば・・・くすぶるような症状が出ます。エアが少ないので全閉から2回転ぐらいに開ける。



*こんな時は?
コーナー出口低回転域での息継ぎ
フロート室の油面の低さが原因の場合が多いようです。フロート高を高めに調整してください。
また図のようにオーバーフローパイプの高さを高くしても良いでしょう。
また油面を上げすぎるとガソリンがオーバーフローするので注意してください。


高回転域での息継ぎ(ミスファイヤーのような症状)
メインジェットが小さすぎる。

高回転域でのくすぶり(頭打ち)
メインジェットが大きすぎる。


中高回転域はクリップの位置とメインジェットのバランスが重要です。


*ドライビングチェック
たくさんのエアを急激に吸い込むことが出来るスライド式キャブレターでは、
多くのカートに使用されているバタフライ式と違いアクセルを一気に踏むと息突きのような症状がでます。
これはキャブレターの特性です、ゆっくりスムーズに踏み込むようにしてください。
それだけで、驚くほど加速がよくなります。
燃料タンクのガソリン残量が減ってきたらキャブレターの油面が安定しなくなり、
高速コーナーで息突きをする感じになります。 ガソリンを補充してください。


*メンテナンスサイクル
各パーツのメンテナンスサイクルは長く設定されていますが、
より良い性能を維持するためには定期的な分解洗浄とパーツ交換をお奨めします

*特徴
排気バルブシステム 約29psの最大出力と共に低速、中速回転域でもパワフルなように可変排気バルブシステムを装備しています。 (MAXのみ)
バランサーシャフト バランサーシャフトによる振動軽減は、ドライバーやエンジン、さらにフレームに対するストレスを大きく減少させます。
点火システム バッテリーを電源とするデジタル点火システム。 純正バッテリーフル充電時で8時間の連続運転が可能です。
電気スターター カートに乗ったままエンジンをスタートできるスターターを装備スタートしています。 乗用車感覚です。
クラッチシステム 乾式タイプ。 摩耗、滑りは最小限に抑えられています
クランクシャフトベアリング 丈夫なモーターサイクルサイズ。 高い耐久性があります。
キャブレター 高い信頼性のイタリア/デロルト社製のフロート式キャブレター、走行時の調整不要は、不要です。
エアクリーナー オートバイ用マイクロフィルターを装備、エンジンのロングライフ化を助けています。
バッテリー 自動車などと同じ性質のバッテリーなのでいつでも充電可能です。
冷却装置 水冷式、ヘッドはもちろんクランクケース全体にも冷却水が回るように設計されています。