125 MAX Evo エンジン Q&A
Q. なぜ、キャブレターが変更されたのですか?
QSキャブレター(従来品)に対する御客様からのフィードバックが、スロットルレスポンスが悪い、セットアップが難しいというものであったため、
新しいXSキャブレター(新型品)ではこの2つの点を大幅に改善しております。
Q. XSキャブレターを取付けたエンジンは、QSキャブレターのものに対してエンジン性能が上がりますか?
いいえ
スロットルレスポンスが良くなることと、キャブレターのセットアップが簡単になるだけです。
Q. XSキャブレターで最適なセットアップを見つけるのは、どの程度難しいですか?
XSキャブレターは、QSキャブレターに比べて、天候の変化に対してより鈍感です、そのためジェットを交換する頻度がグッと減ることになります。
キャブレターの専門家無しで、最適なセットを見つけることが出来るはずです。
Q. RMCレギュレーションにおいて、XSキャブレターの変更可能な部品は何でしょうか?
メインジェットとジェットニードルのクリップ位置だけです。
Q. QSキャブレターをXSキャブレターに変換できるでしょうか?
出来ません
キャブレター内部の機械加工部分が違います。
Q. XSキャブレターは、QSキャブレターに比べてアイドリングが安定していますか?
はい
XSキャブレターでは、数分アイドリング状態で安定しております。
そのため、バッテリー残量を確保するためにも、ドライバーは、忘れずにスイッチOFFでエンジンをストップしなければなりません。
Q. 従来エンジンにXSキャブレターを取付けることは可能ですか?
はい
アップグレードキットを御用意しております。
Q. どうして点火系をDENSOからDellortoに変更したのですか?
コイルと制御系が一体化されたDENSO製点火ユニットでは技術的な可能性が限定的でした。
DENSO製点火ユニットでは排気バルブの電気的制御を組み込むことが不可能でした。
新しいDellorto製点火ユニットは、MicroMAX〜MAXへの変更を最適にスムーズに行なえるように考えられて設計されました。
Q. Dellorto製点火ユニットでエンジン性能が上がりますか?
いいえ
Dellorto製点火ユニットは、エンジン性能自体を引き上げるものではありません。
JuniorMAXとDD2エンジンの点火タイミングが、よりユーザーフレンドリーなものにするため少し変更されております。
これにより、多くのドライバーが同じような結果を引き出せるようになるはずです。
Q. Dellorto製点火ユニットのECU(制御ボックス)を改ざんすることは出来ますか?
ECUの改ざんは、技術的な保護システムによって無効になるようになっております。
RMCレースにおいては、ECUテスターを使用してレギュレーションに適合しているかチェックすることが可能です。
Q. どうしてDENSO製点火ユニットで使用されていたスイッチシステム(ON/OFFとスタートボタン)が変更されたのですか?
このスイッチシステムだと、シャーシによって取付方法/場所が違ってきました。
OFF/ON/STARTスイッチとスターターリレーが統合された新しいバッテリーカバーでは、シート左側に取付位置を固定することで全ての構成品が長持ちするようになりました。
Q. 新しいバッテリーカバーでは、どうやって充電するのでしょうか?
新しいバッテリーカバーには、充電コネクターが付いております。
リチウムバッテリー(オレンジ)使用の場合でも、カバーを外さずに充電することが出来ます。
Q. 新しいバッテリーカバーにDENSO製点火ユニットを使用することは出来ますか?
いいえ、出来ません。
Q. Dellorto製点火ユニットに従来のON/OFFとスタートボタンを使用することは出来ますか?
いいえ、出来ません
Q. 従来エンジンにDellorto製点火ユニットを取付けることが出来ますか?
新しいバッテリーカバーと一緒に変更することで可能です。
アップグレードキットを御用意しております。
Q. 電気制御の排気バルブを導入したのはどうしてですか?
排圧制御の排気バルブではその制御が様々な要素(温度、キャブレーション、シリンダーとマフラーのシーリング、マフラー内の消音マットの状態)に起因しておりました。
電気制御の場合は、エンジン回転数のみでその制御がなされます。
Q. どのようにして電気制御排気バルブは動くのでしょうか?
エンジン回転数によってECUが磁石バルブを開いてクランクケースから取り出した負圧によって排気バルブが引っ張られ閉じられた状態になります。
指定された回転数になると磁石バルブが閉じられ負圧がなくなりスプリングの力で排気バルブが開かれた状態になります。
エンジン回転が落ちて規定の回転数になればすぐに磁石バルブが開き負圧によって再び排気バルブが引っ張られ閉じた状態になります。
Q. 電気制御排気バルブでエンジン性能が上がりますか?
いいえ
排気バルブの開閉による排気ポートタイミングは、排圧式排気バルブと同じです。
電気制御排気バルブでは変らない制御が出来ます、そのことが性能の性格付けに前向きな影響があります。
Q. 従来エンジンに電気制御排気バルブを取付けることは可能ですか?
新しいバッテリーカバーと一緒に変更することで可能です。
アップグレードキットを御用意しております。
Q. 電気制御排気バルブでバルブの開閉タイミングを調整することは出来ますか?
はい
2種類の開閉タイミング(7600rpm、7900rpm)を選ぶことが出来ます。
これでドライバーに合ったセットアップが出来るはずです。
Q. 新しいマフラーでエンジン性能が上がりますか?
いいえ
新しいマフラーは、今までのマフラーと同じ性能をキープしています。
新しいマフラーの目的は、耐久性の向上と騒音の低減です。
Q. 従来エンジンに新しいマフラーを取付けることは可能ですか?
はい、可能です
アップグレードキットを御用意しております。
Q. 新しいマフラーの接続部分は変更されましたか?
いいえ、接続部分は同じです。
Q. 新しいマフラーの音量は、小さくなりましたか?
はい、1dB以上低減しております。
Q. 消音マットは、同じ物ですか?
はい、同じ物です。
Q. サイレンサー部分は、同じ物ですか?
はい、同じ物です。
Q. 新しい排気ソケットの利点は何ですか?
新しい排気ソケットはガスケットリングと一体になっており、シリンダーとマフラーの密閉性がより確実になっております。
密閉性の確保が、最良でコンスタントなエンジン性能を保証します。
Q. 従来エンジンに新しい排気ソケットを取付けることは可能ですか?
はい、新しい排気ソケットは、従来のマフラー、新しいマフラー両方に対応しております。
Q. 新しいピストンでエンジン性能が上がりますか?
いいえ
しかし、慣らしの時間が短くなります、そのため短い慣らし時間で十分なエンジン性能が発揮されます。
新しいピストンでは、摩耗率が減っているため、ピストンの耐久性が改善しております。
Q. 従来エンジンに新しいピストンを取付けることは可能ですか?
はい、次のオーバーホール時の交換を推薦します。
Q. 新しいピストンのリングは、変りましたか?
いいえ
Q. 新しいコンロットでエンジン性能が上がりますか?
いいえ
しかし、耐久性は、大きく向上しております。
B/EセンターとS/Eセンターの長さの公差が減っているので、性能の一定化が向上しております。
Q. 従来エンジンに新しいコンロットを取付けることは可能ですか?
はい、新しいコンロットは、従来のクランクシャフトに取付けることが出来ます。
次のオーバーホール時の交換を推薦します。
Q. 新しいピストンと新しいコンロットの推薦交換時間はどの程度でしょうか?
推薦交換時期は、50時間です。
少なくとも50時間後には、分解チェックが必要です。
それぞれの部品の摩耗度合いによって交換が必要となります。
Q. 黒いクランクケースと赤いシリンダーヘットカーバーは、従来のものと比べて何が違いますか?
技術的な違いは、色以外には有りません。
黒のクランクケースと赤いヘッドカバーでエンジンがEvoで有ることをアピールしているだけです。
Q. 従来エンジンに新しいクランクケースとシリンダーヘッドカバーを取付けることは可能ですか?
はい、可能です。 しかし、技術的に必要ではありません。
Q. どのアップグレードが従来エンジンに必須ですか? 又は、推薦は?
必須アップグレードはありません。
推薦アップグレードは、XSキャブレター、Dellorto製点火ユニット、新しいバッテリーカバー、新しい排気ソケットです。
Q. アップグレードによってどのような利点がありますか?
スロットルレスポンスの改善、扱いが簡単になる
Q. アップグレードによってラップタイムが良くなるでしょうか?
セットアップ次第です。 新しいスペックでは、ベストのエンジン性能を引き出すセットアップを簡単に見つけることが出来ます。
このことでセットアップ経験が少ないドライバーでもベストのエンジン性能を引き出すことが可能になります。
Q. 従来のエンジンもRMCレースで使用することが出来ますか?
勿論です、RMCテクニカルレギュレーションでは従来のエンジンも違ったアップグレード仕様のエンジンでも使用できるようになっております。